大切な写真の保存はUSBメモリーよりHDDの方が良い

半導体メーカーに勤務した経験上、Flashメモリーに関する知識を少しだけ披露しようと思います。半導体の特性上大切なデータ(特に写真)はフラッシュメモリーよりハードディスクに保存した方が劣化が少なくていいんです。

flash

現在普及しているFlashメモリーはほぼ100%近くがNAND型という方式で作られています。これは舛岡富士夫さんが東芝在籍時に発明したものです。

世の中には他にNOR型というIntelが発明した方式もありますが、こちらの方は商業ベースにのりませんでした。

さて、本題ですがFlashメモリーは、単一ブロックの動作原理上絶縁体となる酸化膜が貫通する電子によって劣化するため消去・書き込み可能回数が限られており、記憶素子単体の書き換え寿命は短命なものでは数百回が限界、長くても数万回程度なのです。

これに対して、単一ブロックに書き込みが集中しないようにウェアレベリングという工夫がなされています。そうする事によってFlashメモリーに寿命を延ばすことに成功しています。

しかし、これにも限界がありIntelの研究によれば、NAND型の場合に1万回の書き換えでエラーの起きる確率が1ビット当たり100万分の1から1000万分の1程度おこるといわれています。

ですので、年間に数回しか使用しない保存用のFlashメモリーで写真を保存するのならまだ良いのですが、日頃から使い回しているUSBにたくさんの大切な写真を保存するのはいかがなものかと思います。

できれば、外付けのハードディスクガ一番良いでしょう。実際あのIBMのサーバーのバックアップシステムには今も時期テープが使われています。

特に、写真のようにデータ量の多いファイルは劣化のでかたが顕著です。昔ファイルムで印刷した写真がセピア色に変化する以上に部分的に画像が抜け落ちたり変化したりすることがあるので十分注意しましょう。

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