Wikichers BlogMedia
ウィキチャーズ　ブログメディア

【ソチ五輪モーグル女子】上村愛子がメダルを取れなかった理由！

ソチ冬季オリンピックのモーグルで上村は4位になってしまった。なぜ彼女がすばらしいプレーを見せたのにアメリカのハナ・カーニーに3位の座を譲ってしまったのかを解説します。

上村のプレースタイル

滑り方にはスライドターンとカービーターンがあります。

スライドターンはその名のごとくスキーの板を横滑りさせながら斜面のこぶに板をあてこぶの間をぬっていく方法。
カービーターンは板のエッジを立て、板の横滑りをなくしこぶの最下部をすり抜ける方法です。

上村愛子は初期の頃は、スライドターンの方法で滑っていましたが、自身の目標を高くする為にモーグルの男子選手が採用していたカービーターンに変更しましした。

なぜなら、技術的にはカービーターンのほうがはるかに難易度が高く、結果としてタイムを稼げる滑り方だからです。

一方スライドターンはバンクバーから正規に認められ、カービーターンより難易度が低いにも係わらず減点対象にならない事になりました。

採点方法

モーグルは採点競技で、ターン、エア、スピードで争われる。最も重視されるのはターン点で合計30点満点のうち50％の15点。エアとスピードは各25％で7.5点が満点になる。派手なエアに目が行きがちだが、最も大切なのはターン。こぶを巧みに滑る技術を争うのが、この競技なのです。

ターンの基礎点のマジック

今回上村愛子がアメリカのハナ・カーニーに3位の座を譲ってしまったのは、ターンの基礎点のマジックがあったからです。

基礎点はターンに関して個人の過去の成績から算出点の事で、個別にＩＯＣのモーグル部会でつけられた点数です。
加えて、算定基準及び点数は全て非公開です。

このてんでプレイが始まるまえから、ハナ・カーニーは上村愛子より基礎点で上回っていました。

上村のミスは1回、カーニーのミスは2回

今大会の滑りで、第一エアー終了後のターンで上村愛子はごく僅かのターンミスは1回、ハナ・カーニーは大きいミスが2回でした。

最終結果

総合点の最終結果は上村愛子の20.66点に対して、ハナ・カーニーは21.49点。その差は0.83点。
上村愛子とハナ・カーニーの得点を比べてみた。スピードは30秒46で5.86点の上村愛子が、 31秒04で5.63点のハナ・カーニーを上回っていた。ところが、エアはハナ・カーニーが4.76点で 4.20の上村愛子を引き離している。
そして、最も重要なターン。10.6点の上村に対して、カーニーは11.1点。

まとめ

はっきり言えることは、ターンの基礎点の差がなければハナ・カーにーより上村愛子の方が勝っていた。
引退を決断した最後のオリンピックでの上村愛子の滑りは最高であった。
だから、彼女は自身のスキー人生の集大成として全てを出し切り本人が納得できた滑りができたので「すがすがしい気持ちです。」といえたのでしょう。

【関連記事】
【ソチ五輪ジャンプ女子】高梨沙羅がメダルを取れなかった理由！
【ソチ五輪ハーフパイプ】平野歩夢プロとして銀メダル、ボードメーカーに問合せ殺到！
【ソチ五輪ノルディック複合】渡部暁斗が銀メダル、20年ぶりの快挙！